【アーティストの本棚】しまだともみ 2018.09.

ブックデザイン事務所であるデザインフォリオが主催する GALLERY FOLIO では、展示と合わせ作家の皆様に「影響を受けた本・好きな本・オススメの本」のご紹介いただいています。

好きな作家がどんなことを面白い・好きと思っているのか…好きな人のことは気になりますよね?作家自身が読んできた本を知ることで作家の思考・バックグラウンドを知る一助となり、それによりもっと作家自身や作品への理解や興味が増すことで、多面的にもっとその作家を好きになってほしい。また、「好きな作家」と同じ本を読んでいた!なんて嬉しい気持ちになったり、知らなかった「本」に出会えたり、「本」から新たな「作家」や「世界」につながるきっかけになればと思っています。

【アーティストの本棚】
しまだともみさん 
2018年9月14日〜9月22日 しまだともみ 絵本原画展

はてしない物語
ミヒャエル・エンデ 著
上田真而子, 佐藤真理子 訳
岩波書店 (1982/6)

[作家コメント]この物語との出会いは「ネバーエンディングストーリー」という映画でした。 小5の時に姉に勧められ、テレビの洋画劇場で見てから、 しばらくその世界から抜けられないくらい、はまり込んだ作品でした。 本に出会ったのは28の頃。 イラストレーターになりたくて、青山でバイトしながら、 築地のパレットクラブに通っていた頃。 渋谷からバイト先までのあいだに古本屋が3件くらいあって、 読みたい本がないかチェックするのがささやかな楽しみでした。 ある日目に入った「はてしない物語」の文字。はっと手に取ると、 あの物語に出てきたあかがね色のクロス張りにアウリンの付いた装丁が!! その時の私はすっかりバスチアンでした。 本をこっそり持ち出したい気持ちを抑えてお金を払い、電車の中で読みたい気持ちを抑えてアパートに帰り、電気を消して、布団に潜り、スタンドの灯だけで読み始めました。 なんと雨も降って来たのです。 ああー!ここにりんごがあれば!と思いつつ。気分はすっかりバスチアンです。 物語を読みながら、アトレーユや懐かしい登場人物達と共に小5の自分にも再会し、 しばらく忘れていた「物語にハマる」感覚も蘇ってきました。 合わせ鏡のように、物語と現実が交差して、 物語の中にどっぷり引き込まれたその時、、、。鳴ったのです。雷が。 ハッと思いました。 「私はこの本に選ばれたのだ!」(笑) 残念ながら窓を開けてもフッフールとアトレーユはいませんでしたが、 バスチアンが自分の名前を取り戻したように、 私も物語の中に生きていた頃の自分を取り戻せたのでした。 今思えば、イラストレーターから絵本作家。(絵だけでなく物語も紡ぐ人)に なりたいと思い始めたのも、この頃だったのです。 おかげで今は自由にファンタジーエンを行き来することが出来ます。 私が宙を見つめてうわの空になっている時は、 「ああ、ファンタジーエンにいるのね」と、どうぞそっとしておいて下さいね。

しまだともみ

※基本的に書名、著者・編者名、出版社(刊行年/月)の順に掲載。書名のリンクはAmazonへ。

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