小6の息子が昨年末に本屋さんで面白そうと『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(神田桂一・菊池良 著 宝島社刊)を買ってきた。
こちらは愛情溢れる文体模写ワールドな本なのだが、まず「はじめに」の村上春樹文体を読んだでけでふふっと心が開き、目次を見渡せば既にニヤニヤしている自分がいる。若かりし中・高校生時代80年代サブカルチャーブームの波に乗っかり、マガジンハウスの雑誌に始まり、宝島、スタジオボイス などを定期購読かのように読み漁った。それらの雑誌で紹介されている情報をもとに、この本で文体模写される著名な方々の書籍(課題図書?)は、ほとんど読んだと言い切ってしまおう。
読書家の自負は全くないが、”東京カルチャー” や ”東京トンガリキッズ” に憧憬を日々感じていた私はこれらを読まずに(斜めだけど、さっぱり理解してなかったけど・・)青春を通り過ぎるわけにはいかなかったの。
村上春樹、阿部公房、糸井重里、町田康、フィッツジェラルドからヒカキン、利用者の声 と、ついつい笑ってしまう文章のなかでも個人的に特にツボだったのは、
『EV.Cafe 超進化論』 村上龍×坂本龍一著 講談社文庫 1989
『ニューロマンサー』ウィリアム・ギブソン 著 ハヤカワ文庫SF 1986
など。その当時一生懸命読んだのを思い出して、つい大笑いしてしまった。
鼻息荒く、懐旧の情たっぷりに語ってしまう私をよそに小6男子の息子と友達は、元ネタなんて知りもせず『面白いね』と素直に楽しみ、『要するに、カップ焼きそばは湯切りが大事』ってことだね。なんて真っ当な感想を言ってたりしいる。
彼らはあの頃の背伸びしていた私よりずっと大人だ・・・。
それはともかく、どこかの書評ではすでにに15万部突破とか?『もし文豪たちがカップ焼きそば〜』を読んで、本家本元を改めて読むのもいいかも。
新年の初笑にもぴったりで、どこから読んでも個性豊かな文体が満載。オススメです。 (サ)
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